PISA調査について

2013年12月22日

教育について、私と同じようなことを考えている人はほかにいないのかな? といろいろ探すうち、このPISA調査にぶつかった。

PISA調査とは、簡単に言うと、各国の子どもたちの学力を測定するための国際調査のことである。
2000年から始められ、その後は3年ごとに調査が実施されている。
いくつかの指標が組み合わされて総合的に「学習到達度」が測定されるのだが、その指標の一つに「読解力」がある。次の表は、この読解力の各国順位の推移である。(朝日新聞、2013年12月4日)



表を見たらわかるように、2003年、日本は順位をかなり落とす。いわゆる「PISAショック」だ。それで日本の教育界は少し慌てたようなのだが、その3年後、日本はさらに順位を落とした。順位を落とした原因は「ゆとり教育」か!? ということで、学習指導要領の見直しが行われた結果、だんだん順位を上げてくることになった。

・・・ということらしい。

PISAが果たしてどのような能力を測定しているのか? ということについての吟味は必要だし、その上でその能力が日本の子どもたちにとってもあらまほしき能力なのか? ということを考えていくことも必要だろう。

ただ、私がちょっと驚いたのは、もしかしてPISAが測定しようとしている能力は、私が作文教室で子どもたちに身に付けてほしいと思っている能力とすごく似ているのではないか、ということである。

「生きる力」を育みたいという根本的な方向性も共有しているようだし、「根拠」にこだわる点、さまざまな媒体からテキストを持ってくる点、「評論」(批判的な思考)という日本の教育現場では馴染のないパースペクティブを導入しようとしている点など、へぇ、と思った。

さらに、このPISA調査の影響で、学校現場などにもPISAに適応できる能力を育もうとする試みがいろいろ導入されつつあることもわかった。心強いことである。

教育をとりまく国際的な状況、そして日本の動向などを踏まえながら、NAKAO作文教室の立ち位置をより明確にしていけたら、と改めて思った次第である。

参考:http://berd.benesse.jp/berd/center/open/berd/backnumber/2006_06/tobira.html


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