“fact”から考える作文

小学生・中学生兄弟の作文レッスン。だいぶ思考力がついてきたので、この日はメディアリテラシーを中心に据えて、世相読解。

“fact”は下の図。最近良く見かけるようになった、月ごと年ごとの超過死者数のグラフである。

これについては、ワクチンが原因説、他の要因があるとする説などが、今現在も混沌と入り乱れているのが現状である。その議論に、彼らにも参加してもらおうという趣向だ。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74191

「コロナ死」という説がやはり真っ先に出てきたが、コロナ死者数は別の統計であるので、それ以外のものはじゃぁどう説明できるの?と考えていく。

「引きこもり」原因説も出てきた。引きこもって買い物もちゃんと行けずに食生活が乱れたから、またストレスが高くなったから、と。

食生活。そうそう、ウーバーイーツが流行ったり、たしかに食生活、変わったな、と、けどこれはあまり掘り下げないままスルーしてしまった。次の「高齢化」説に時間を割くことになってしまったからだ。

「高齢化」が原因と言うので、「え?2021年とか2022年になって突然お年寄りが増えた?」とかいうと、ふたりともゲラゲラ笑って、「そんなことないやん!」って。

でも、ちょっと待って。もしかしたら、少しは関係あるかもよ。と言って、次の人口ピラミッドのグラフを見せてあげた。

このグラフは2020年なので、団塊の世代のピークは2023年現在でざっと75歳。

75歳、って、突然死ぬほどの年齢かな?と問いかけてみる。おじいちゃん、おばあちゃん、いてはるの? 今何歳?

笑いながら、「75歳や!」って。

「どう?」と聞くと、やはりまだまだお元気のようで、ケラケラと笑い飛ばす。

この辺の解釈は難しいが、とにかく団塊の世代が75歳に差し掛かった時期に超過死亡数が増加した、という、2つの”fact”が結びつく可能性を確認した。

このグラフを見ながら、「団塊の世代」、「団塊ジュニア」、「丙午」なども合わせて学習。深刻なテーマであるはずなのだが、頭を使って考えることを楽しんでくれた1時間だったと思う。

“fact”から世の中を見ていく──世の中、なんて広いことをいわなくても、身近な人間関係や職場も同じだが、そうやって”fact”を丹念に見て、そして点と点が結びつく可能性を探っていきながら、全体像を構想していくという思考は、これからこの複雑な社会を行きていく上で必須のスキルだと思っている。

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