「リアルワールドエビデンス」

ツイッターでこの言葉を初めて目にしたのが、2023年3月半ば。

そういうことが行われ、そういう認識があるということは知っていたが、このようにサラッと公言されているとは少し驚きだった。

公言されているにもかかわらず、「リアルワールドエビデンス」にその後も”エビデンス”を自らの健康と命を賭して提供し続ける世情にも驚きだ。

どうなっているのだろう。

私のこれまでの認識のなかに「リアルワールドエビデンス」を位置づけるとすれば、

「治験」→安全が確認された後リアルワールドに→リアルワールドエビデンスがさらに蓄積されていく

となるだろう。

しかし、記事中では、「治験」の対立概念として「リアルワールドエビデンス」が使われている。つまり、どう読んでも、安全性が確保されていなくても(これを確保するために治験があるはずなので)、リアルワールドで使用して、そこで病気になったり死んだ人がでたりするけど、それも貴重なエビデンスになります、年齢も制限せず、基礎疾患なども無視して、あらゆる属性の人たちのデータを集めることができるのは素晴らしいではありませんか、ということになる。

科学の進展そのものにとっては、ある意味素晴らしいと言えるだろう。しかし、科学がそもそも人類のためにあると考えるなら、それは素晴らしいと言えるだろうか。

いや、科学はそもそも科学それ自体のためにあって、人類はそれに必死で追いつきしがみつこうとしてきただけではないのか、科学が人類のためになるという物語がシンプルに信仰されていた時代はとうの昔に終わったのかもしれない。

この言葉を使っているのは、

モデルナ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 医学博士の鈴木蘭美である。

https://www.link-j.org/supporter/rami_suzuki.html

この言葉や彼女について詳しくは調べていないが、2022年4月24日の日経ですでに、「生命科学の最前線で「がん完治」追究 鈴木蘭美さん」モデルナ・ジャパン社長(人間発見)として登場している。

有料会員限定なので中身はちゃんと読んでいないが、このときこれをちゃんと読んだ人は、正気ならその後、人生の選択に少し慎重になっただろう。

私がツイッターで目にした記事は、Yahoo!ニュース(2022年12月21日)で、鈴木がTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」で12月17日に話したという内容だった。

ラジオを聞いた人や記事を読んだ人がいるのかどうかはわからない。

もし読んだ人がいたのなら、そしてもし同じ内容をラジオで聞いた人がいたのなら、以下の内容はどのように受け止められたのだろう。

 さらに、もう1つの要因として、「通常、薬の力を見定める際には、まず“この薬を数百から数千人の患者さんに投与して、その結果、全体的に患者さんがどうなったか”ということを長期的に見てから、薬を評価する『治験』をおこないます。
 その方法とは別に、承認されて世に出た薬が、実際に人々に投与されたときの効果等をデータとして収集していく『リアルワールドエビデンス』という方法があり、この力がより強くなっている」と説明します。
  また鈴木さんいわく、治験とリアルワールドエビデンスには、それぞれメリットとデメリットがあると言います。例えば、治験のデメリットは、データを収集する際に、妊婦さんやすでに疾患のある方、何かしらの薬を服用している方など、治験の対象にならない人が出てきます。治験だと、そういった人たちのデータは入手できないことが多いです。
  一方、リアルワールドエビデンスでは、妊婦さんや疾患のある方は世の中にたくさんいるため、その人たちのデータも収集することが可能です。新型コロナウイルスのワクチンがまさに良い例で、「何万人、何十万人の人々のデータになるので、規模が治験よりもずっと大きい」とメリットを挙げます。   
 現在、全人類の約7割が新型コロナウイルスのワクチンを接種したと言われており、「その多くがメッセンジャーRNAのワクチン。生後6ヵ月の赤ちゃんから110歳を超えるご老人まで、これだけ広い年齢幅、さまざまな人種や状況下で使用された薬はおそらくない。だから、とても貴重な情報がリアルワールドエビデンスとして存在すると思う」と話します。

https://news.yahoo.co.jp/articles/91c8d3e8dbef3f705016cee4ae013b6708c58d5f?page=1

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